インプラントを長持ちさせるには、歯科医院での定期検診と患者さん自身による毎日のケアが必要不可欠です。

歯科医院での定期検査は、初めのうちは毎月、それから2ヵ月ごと、3ヶ月ごとと間隔が延びていきます。しかし、これも人それぞれです。きれいにケアができている方は間隔が長くなりますし、なかなか汚れを取りきれないという方は毎月通院を続けていただく場合もあります。

定期検査の内容

  1. 歯に汚れが付いていないか、歯みがきが正しくできているか
  2. 歯周病やインプラント周囲炎を起こしていないか、進行させていないか
  3. 咬み合わせはうまくいっているか

特に咬み合わせの不具合は自分で防ぐ事ができないので、歯科医院による検査、治療を必ず受けて下さい。

自然の歯には歯根膜があります。歯根膜は大変重要な働きをしています。噛んだ時のクッションの役目を果たすのです。このため強く噛んでも歯根膜が衝撃力をカバーしてくれます。

また歯根膜には三叉神経が分布しており、触覚・痛覚・温覚・圧覚などを感知し、強く噛みすぎるのを防ぎます。しかし、インプラント(人工歯根)には歯根膜の機能はついておりません。そのため強く噛みすぎることが起きるのです。また、インプラントの周囲が細菌感染しても、痛覚がないため炎症に気付かずに放置するケースもあります。

治療後の定期検診をしっかり受け、インプラント周囲のプラーク(細菌のかたまり)の付着を防ぐ事がインプラントを長い期間使っていくためには非常に大切です。また患者さん自身も、歯科医院で教わった正しい歯みがきを励行することが求められます。歯間ブラシ、デンタルフロス(糸ようじ)、薬用デンタルリンスを併用できるとなお効果的です。また、細菌の繁殖を防ぐには偏食をなくし、栄養バランスの良い食事をとるよう心がけましょう。過労、ストレス、睡眠不足、喫煙も極力避けるようにして下さい。高い費用をかけて得た歯を生かすのは自分次第と心得て、毎日のケアに励んでください